長年熟成されれば良いというものでもない
こんにちは、nkjmyです。
この間まで30度超えて暑い暑い言うてたのが、
いつのまには20度台前半になり、秋らしくなって来ましたね。
という書き出しで下記の発酵?に関する科学ニュースを書いていたんですが、
忙しさのあまり、ブログ記事まで発酵熟成させてしまいました。
腐敗でないことを祈ります。
特にうまいことを言ったわけではないです。
さて、今回ご紹介するのは、
こちらです。
チーズといえば、言わずと知れた発酵を利用する食品ですが、
こちら(チーズの熟成について - チーズの作り方 | チーズを知る・辞典 | チーズクラブ | 雪印メグミルク株式会社)によると、熟成させるのは5ねんくらいまで。
さすがに3200年はやりすぎ。
とはいえ、これは当然「よし3000年もののチーズ作ろう」として熟成されたものではないわけで、
偶然の産物として発見されたもの。
とはいえ、砂漠という人によっても食品によっても過酷な環境下に置かれたわけですから、食べ物としての価値はなく、
(引用)
"33世紀近くものあいだ強いアルカリ性の砂漠環境にさらされたことにより、チーズの標本の化学的性質(特に脂肪質)は変わってしまい、白色の物質の分析は困難になっていました。 そこで、このチーズらしき物体を研究するためにイタリアのカターニア大学のEnrico Greco氏が率いるチームは、たんぱく質を分析してペプチド(特定の物質の存在を示すアミノ酸の短い鎖)を特定するまったく新しい方法を考案することに。"
ということで、「誰(何)由来のタンパク質か」を調べましたというのがこの研究成果。
論文・記事によると、分析したペプチドの情報をデータベースに当てはめて検索したようなのですが、
無事?ヤギ・ヒツジ・スイギュウ由来という結果が出る一方、
ブルセラ症を引き起こす、Brucella melitensis由来と思われるものも検出したと。
詳しいデータとデータベースの照合の仕方はわかりませんが、
連続XX個のアミノ酸→一番近いタンパク質を持つと思われる生物
で検索した結果を、上記の生物由来と考察しているのかな?と。
つまり、アミノ酸は20種類ですので、連続6個のペプチドだと20^6=64,000,000通りのパターンがあって、これと完全一致するようなものを作れるようなら、その生物由来だろう的な発想でしょうね。
実際は6個なのか、10個なのかわかりませんが。
一方で、部分的な配列のみで、本当にその"種"といえるのかは議論の分かれるところのような気もします。
例えば、環境中のDNA配列(こちらはアミノ酸ではなく塩基ですが)からその環境にどのような(微)生物がいるのかを見る際、
細菌・古細菌では16S rRNAという配列を見ることが非常に多いです。
これは1400〜1500塩基(文字)くらいなのですが、
現在の高速かつ大量に遺伝情報を読み取る機械の原理上、これの一部分、300塩基以下で「なにがどれくらいいただろう」を解析します。
この場合、大きな分類の括り(門・綱・目)くらいなら、違いがでるものの、
属や種というのは、「そこまでの分解能はない」ということであまり信用できないということになります。
さて、ペプチドだとどんくらいの長さでどのくらいの相同性があれば「それっぽい」といえるんでしょう。
ただBrucella melitensisに限らずBrucella 属は人獣共通の感染症を引き起こす細菌として知られているようですので(横浜市衛生研究所:ブルセラ症について)、いずれにせよ
危険なチーズであることには違いないのかもしれません。
フレッシュチーズといわれるものは、熟成の必要がなく、なるべく早く食べるのが良いようですし、
熟成もほどほどに。
ブログ記事にも同様のことがry
ではでは
今日はこの辺で。
終わり