戻ってきた!
こんばんは、nkjmyです。
学会後、実験やら本業的な書き物、実験などをしていたらいつの間にか日にちががっつり空いてしまいました・・・
いやー、この2、3週間で色々なセミナー聞いたり、イベントに参加したりしてきました。
本業的なものでいうと、所内のインフォーマルなワークショップで、
「ゲノム情報」を海洋研究(主に生物対象)にこれからどう活かしていくかみたいなのがありましたね。
ゲノム情報とは(なんども書いているかもしれませんが)「全遺伝情報」といいまして、個々の生物がもつ遺伝子全て、まぁ「生命の設計図」なんていう言い方もされますね。
ゲノムだけだと設計図なので、生物を形作る部品として「RNA」や「タンパク質」がいつ、どれくらい、どこで使われるのかも知る必要があります。
(なので、ワークショップ的にはDNAだけに限らず議論がありましたね)
さて、分析技術の発達により、(特に微生物の)どんな生物がどこにいて、どんな遺伝子を持っているか・・・という情報は、文字通り「くさるほど」データベースに集められています。
各研究室でも手軽にこういった遺伝子解析が行えるようになったが故にですね。
今はもう、「(遺伝子)読みました!」の時代ではなくなってきているので、
「じゃあそれらをどうするのか」というのがテーマやったと思います(多分)
大規模な解析をすると、「半分以上」は「なんの遺伝子なのか全然わからん遺伝子」であるそうです。
その中にはきっと、環境中でたくさん働き、いろんな生物がもつ重要なものも含まれているでしょうし、
こういったものを「ダークマター遺伝子」として、いかに解明していくかも重要な課題・・・という話も出ていました
ダークマターとはもともと、宇宙論とか物理方面の用語で、この宇宙を構成している質量のうち、約4分の1を占めるもので、
我々が観測できるようないわゆる「見える」物質は数%(4〜5?)しかないと言われています。
たしかに存在してるのに観測できない・・・しかもめっちゃ多い・・・
という性質から、ダークマター遺伝子と呼ぶと。うん、かっこいい。
データベースにある情報から色々推測し、環境中でのサンプリングを通してダークマターを照らす・・・そういったときに、自分のやってるような「個々の細菌」を使った「培養実験」は重要になると思っているので、これからも培養実験を軸にしていきたいと思った次第。
個人的には、ダークマター遺伝子も気になるが、
環境中に確かに生息しているけど、培養できたこともない、解析的に無理くりゲノムを明らかにしたような、「ダークマター」としての「細菌群」をいかに扱うかも課題やと思ってる。
全部が全部、培養できて新種記載できるわけでは当然ないとは思うが。
最近の気になるニュースを手短に2本。
まずはこちら
新種発見!!!というと大層なことのように思いますが(いや、すごいんですよ。すごいのは大前提で)、
ここにあるように、「ジャングルの奥地や深海など」に行かねばならないかというと、そうでもない・・・という記事ですね。
ちなみに、細菌ならその辺の池からでも新種がとれますよ!がんばれば!
そこのあなたも名付け親!おすすめ!
(なお、そこそこの専門的な試験がないと公式には新種と認められません)
ここでも鍵になるのが、「DNAの分析技術の発達」ですね。
サンパウロの街中の公園では新種のカタツムリが、
オーストラリアのタスマニア島ではシティパークでは3種の新種のヤスデ、
ロサンゼルスではいろんな家の裏庭?から合計30種のハエが新種として見つかったそうな・・・
あとは読んでみてもらえると、どれも「え?そんなことあるんや」という感想を抱きますね。
まさか、イルカもそんなノリで新種となるとは・・・
まぁ、DNAだけ見ていればいいのかという議論もあるでしょうけど(特に動物植物は携帯観察も重要でしょうし)、
ポテンシャルとして、「街中」でのフィールドワークも捨てたもんじゃないですね。
はい、次。
なにもいうことはありません。
かわいい実験です。
「くすぐったさは触覚に属していますが、最も研究が遅れている感覚の1つです」
これ、意外でした。でもよく考えると、痛いという触覚とか味覚とか、いうまでもなく視覚聴覚嗅覚は生存競争にめっちゃ重要そうやけど、「くすぐったい」ってなんやねんとは思いますね。
「ネズミはくすぐられたがる」とか「今回の研究でも、くすぐってもらったネズミたちが楽しさのあまり飛び跳ねる様子が観察された。」とか、
ほのぼのする研究ですね。
しかし、ここから得られる知見は
くすぐりなどのポジティブな相互作用と感情の価値を探ることも有効
うん、より脳とか神経科学の方面での理解が進みそうですね。
ではでは
久々で長くなりましたが、この辺で
終わり