ゴリラはゴリラであって、ゴリラ・ゴリラではない
こんにちは、nkjmyです。
新しく始めたものは最初が肝心。ということで、小ネタでもどんどん更新していきますよ。
今日はしばしば耳にする、「分類」あるいは「学名」の雑学に関してです。
みなさんはこんなこと聞いたことありませんか?
ゴリラの学名は、ゴリラ・ゴリラなんやで
という雑学。
某短文をつぶやくSNSによると、ずいぶん前にやっていてTV番組「トリビアの泉」にも出ていたようです。
先週位くらいに別のネタで「ゴリラの学名がゴリラ・ゴリラ」というのをみかけ、
生物屋さん的に、”マジレス”しておかねばならない・・・!と思いました(*`・ω・´*)笑
この雑学、実は不十分な表記がされていて、
実際は
ニシゴリラの学名がゴリラ・ゴリラ
なのです。
ちなみに、ヒガシゴリラという種もいまして、学名はゴリラ・ベリンゲイ(日本語読みが正しいかは保証できません・・・)です。
(一部説によると、ヒガシゴリラ・ニシゴリラを地域個体群というか亜種とし、共にゴリラ1種のため、学名上は両方ともGorilla gorillaとするような説もあります。ゴリラ1種説ですね。遺伝子解析の方では、上記のような2種に分ける説もあり、色々ややこしいのは事実。)
ここでちょっと分類についての基礎をお話しします。
すべての生物には「住所」のようなかたちで、分類学上のカテゴリ分けがされています
昨日の記事で出てきた、「菌類」や「細菌」もその住所の上の方です。(例えば国とか県とかみたいな)
名前を覚えてもらう必要はありませんが、
現在、メインの住所としては
ドメイン・(界)・門・綱・目・科・属・種
というのが使われています。(界は高校生物だと五界説として習いますが、最近はちょっと色々アバウトすぎて見直されています)
我々ヒトでいうと、
真核生物ドメイン(動物界)
脊索動物門
哺乳綱
ヒト科
ヒト属
ヒト
となりまして、この最後の2つをラテン語で名付けたのが、学名です。
Homo sapiens です。苗字と名前みたいな感じですね。
さて、ゴリラ・ゴリラの件を見直してみますと、
ゴリラ、というのはあくまで、「属名」なのです。つまり総称。
ニシゴリラの学名は、Gorilla gorilla、ヒガシゴリラの学名は、Gorilla beringei
ということでタイトル通りになるんです。
ゴリラ(総称)はゴリラ(属名)であって、ゴリラ・ゴリラ(学名)ではない
もう、これはあれですよ、
徳川は徳川家康!
というくらい包含関係がおかしなことになってるんです。
ちゃんと家光も綱吉も吉宗もいますよね、徳川。
ちなみに、どうでもいいことですが、
ゴリラ(属)は、住所の1つ上を見てみると、ヒト科なんですよ
ヒト科には、
ヒト属・ゴリラ属・オランウータン属・チンパンジー属・アウストラロピテクス属(これは絶滅してるけど)などがあります
こうして見てみると、分類、おもしろくないですか?
住所を眺めつつ、親戚?にこんなんがいるんや!とか、
あ、これとこれってこんなに近いor遠いんや!とか。
さらにどうでもいいことですが、チンパンジー属のラテン語はPanですので、
某TVに出ている?出ていた?チンパンジーのパンくんって、そっから来てるんかなーと思ったり。
徳川くん(苗字)で言われるならいいけど、
属名やったら、我々って・・・ホm・・・(以下自重)
ではでは
今日はこの辺で
終わり