フラスコを振る

某研究機関で研究やってる人の日記です。科学や(自分の専門の)生物をもっと楽しんでもらいたい。Twitterは@nkjmu。

特筆すべき変な新種たちが発表されたらしい

こんにちは、nkjmyです。

 

前回の記事で書こうと思ってた中身、すっかり忘れてて、

普通に誕生日迎えて、カテゴリ分けどうするかみたいなので終わってしまっていた。

 

そうではなくて、ちゃんとネタはあった。忘れてたが。

スマホのブラウザの方でその記事を開いていて思い出した)

 

 

 ほんで、そのネタというのが、

 

こちら

 

Celebrating a Decade of the World Register of Marine Species

 

知らなかったんですけど、WoRMSというのがあるらしくて、

2017年で10年を迎えたらしいんです。

(大元のHPはこっち WoRMS - World Register of Marine Species)

 

Statisticsっていうところポチると、それぞれの分類群の統計情報まで詳しく見られますね。これだけで時間が溶けそう。

 

Marine Speciesであって、動物とは言ってないので、

下の方には、植物(Plantae)とか菌類(Fungi)、バクテリアアーキアも載ってる。

(Virusもある・・・笑)

 

 

話は戻って、この10年で21,554種のmarine speciesが新種として記載されたということで、年間で2000ちょっとか。

 

で、その10年記念ということでこの度2018年に、

「これまでの10年」と「2017年」に見つかった新種で、「特にこれは!」というやつを選んだそうです。

 

 

選び方も書いてあるのですが、このWoRMSの編集者が自分の好きなのをそれぞれ挙げて、そのあと委員会的なものを組織し、選出という流れのよう。

 

(引用)

The final decisions reflect the immense diversity of animal groups in the marine environment (fish, crustaceans, molluscs, corals, sponges, jellies, worms) and highlight some of the challenges facing the marine environment today (e.g. invasive species, fragile reef ecosystems threatened by climate change, deep-sea environments impacted by resource extraction).

 

ということで、最終的な決定は、海洋環境での動物グループの多様性を反映させ、

侵入種とか、気候変動によって壊れやすい岩礁とか、資源開発によって影響される深海とかのような海洋での「課題」をハイライトするようなもの

ってことがポイントのようですね。

(その下には、一般人にも関心が高そうなものも考慮したっぽい記述がある)

 

合計20種選ばれてるので、全部和訳するのが面d・・・

 

一部のみご紹介。

 

Ten astounding marine species of the last decade

とりあえずこの10年での面白い新種の方。

 

まぁ、選ばれてるやろと思ったらありましたね、

 

Chondrocladia lyra

 

ハープというか、なんなら物干し竿的なものに見えなくもないがれっきとした動物。

海綿動物門に属し、あの枝っぽいもので餌を捉えるらしい。

 

 (引用)

Typical sponges are suspension feeders, filtering bacteria and microscopic organisms from the surrounding water. C. lyra and other carnivorous sponges, however, capture much larger prey, such as small crustaceans, using their skeletal elements like Velcro.

 

海綿は海水を濾し取って細菌とかの微生物を餌にすることが典型的だけれども、

こいつとか一部の海綿は、もっと大きい甲殻類などを捕まえる

 

深海に生息しているんですが、いやー、不思議。

 

 

その下のeelって書いてるのはウナギの仲間ですね。

見た目が全然ウナギっぽくないみたいに書いてる。

 

 お次のは、slugってナメクジかなと思いますが、クリオネとかウミウシとかああいう腹足綱の仲間のことかな?ちょっと和訳がわからん。

とりあえず、10mmくらいの小さいやつらで、今までは50mくらいまでの浅いところでしかこのグループが見つかってなかったのが、深海260mとか400mとかから見つかったというもの。

 

次の透明なやつは多毛類(綱)。海面に共生しているってかいてあり、strictって書いてあるので、かなりその関係が強固な共生関係なのかな?

(引用)

Each sponge usually houses just one worm, which is either a female or a male. Eventually sexual units full of gametes develop at the end of the terminal branches, detach from the terminal branches and swim out of the sponge through its canals and pores. These male and female units (called stolons) have heads with large eyes, and special swimming chaetae. 

 

オスかメスの1匹だけを共生させていて、このワームは性成熟すると、最終的には泳いで出て行くみたい・・・?

 

(このペースで書いてるとほんまに全部に言及しそう・・・)

 

はい、ということでちょっと飛ばして、Hoff crabは、

南極の深海で“雪男ガニ”を発見、白く剛毛生やす | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

これですね。

胸とか腕に生えた毛に細菌を飼っていて(引き寄せて)それを食べるという戦略。

 

そのあとには、えらくハサミのサイズが異なるロブスターの仲間が選ばれていたり。

 

生きた化石ということで八方サンゴの新種が選ばれていますね。

これは沖縄で見つかった新種のようです。

発見した宮崎さんのコメントもあって、

この種は1mくらいの深さから見つかったそうなんですけど、そういう生きた化石的な種はもっと深くて、安定的な環境を通常なら好むだろうとのこと。

 

たしかに。

 

最後は通称?スケーリーフットと呼ばれる種。

これは深海生物の番組とか企画展などでよく紹介されることがあるが、

「鉄の鱗」を持つ巻貝。

 

これについてはいろんなところで日本語記事が読めるので専門外の私が紹介するまでもないでしょう。

 

 

ということで、3,000字弱書いて、

「10年間の新種で特筆すべきもの」が終わっただけです・・・。

 

2017年の新種についてはまだ今度・・・(かもしれない)

 

ボブマーレーの名前がついてるとか、スパイダーマンみたいなとか、そちらもネタが豊富そうですね。

 

というわけで今日はこの辺で。

 

 

終わり