フラスコを振りながら

某大で研究やってる人の日記です。科学や(自分の専門の)生物をもっと楽しんでもらいたい。Twitterは@nkjmu。

記事の投稿忘れてたよ

こんにちは、nkjmyです。

 

4月も下旬ですよね。4月1日に新年度ということで記事を書き始めて、

2日には投稿かなーと思ってたらですね、

 

忘れてた。

 

 

下書き保存で眠ってた。

 

 

今更、あの時点でのテンション?内容?を掘り返すのも面倒なので、お蔵入り。

 

とりあえず、4月から身分が変わりました。

 

博士課程は単位取得退学、4月からは同じラボに雇ってもらう形で、

職員に。

 

いうてやることは博士論文の完成と、研究で、今までとさほど変わりありません。

 

 

授業料払うほどのことはないということでこういう選択に。

 

「学割なんて帰省の際に新幹線で使うくらいやろー」と思ってたら、

 

さっそく4月に登録開始になった学会申し込みで、

 

一般価格になり、見事財布に会心の一撃。1.9万円。

 

 

 

さて、この1ヶ月くらいにあった興味深いニュースでも久々に紹介しますかね。

 

某短文をつぶやくSNSで流れてきた情報を軽く和訳します。

 

とりあえずはこちら。

 

単純に訳すと、「毎日、空から数兆のウイルスが降ってくる」

ですかね。

 

ウイルスというとみなさん、病気の原因になるものとしての認識が強いのではないでしょうか。

 

しかし、環境中には、めっっっっっっっちゃたくさんのウイルスが存在しているのです。

 

どこかの記事で書いたかもしれませんが、まずはその多さについて算数を使って実感してみましょう。

 

 

話は空の前に海です(あとでちょっと関わってきます)

 

海水1mLには10の5乗(10^5)オーダーから、10の6乗(10^6)オーダーの「細菌」がいると言われています。

 

そして同時に、その1mL中には、細菌に感染するウイルス、バクテリオファージ(略してファージ)が、その10倍から100倍、つまり、10^7〜10^8オーダーで存在していると言われています

 

1mLにファージ(ウイルス)が数千万〜数億です。

 

地球上にある海水は、ざっと、13億km^3(立方km)ちょっとと言われています。

(ちなみに、地球上の「水」は14億くらいで、全体の97%が海水です。)

 

1300000000 km^3

=1.3×10^9 km^3

=1.3×10^18 m^3

=1.3×10^24 cm^3 = 1.3×10^24 mL

 

というわけで、どんぶり勘定でウイルスが海水中にどのくらい漂っているかというと、

 

10^24×10^7オーダーくらい。

10^31個(ウイルス、あるいはファージでもいいんですが、生物かというと微妙なので、個という表現に)

 

ウイルスってめっちゃ小さいですよね。学校にある顕微鏡では到底みられません。

電子顕微鏡サイズ。

 

これもざっくり100 nmくらいにしておきます

 

100 nm

=0.1 μm

=0.0001 mm

=0.0000001 m =1×10^-7 m

 

ファージを丁寧に丁寧に1列に並べましょう。

 

すると、

(1×10^-7) × (10^31)

=10^24 m

=1億光年

 

まぁ、ファージの長さを100nmとしたのがそこそこデカいと思うので、

これを10nmにしっとしても1000万光年ですけどね。

 

ウイルスの数は10^7で少ない方に合わせていますが、これがもっと少ない海水(たとえば深海では少ない、とか)が多かったとしても、オーダーでは上記のような長さになるでしょう。

 

ちなみに、我々の住む、この天の川銀河の直径は10万光年なので、それよりもずっと長いです。

 

 

という計算は、我々の分野の入門時点で習うというか、計算してみる事が多い気がします。

 

 

さて、話を空から降ってくるウイルスに話を戻しましょう。

 

ニュース記事の2段落目にさっそく結論的な事が書かれています。

(引用)

Each day, they calculated, some 800 million viruses cascade onto every square meter of the planet.

 

つまり、今回の結果は、毎日、1m^2(平方メートル)の範囲当たり800million(=8億)ものウイルスが降ってきている

ということです。

 

一般的な「億」あるいは「ウイルス」の感覚からするとめっちゃ多そうなんですけど、

少し上の海水中のウイルス密度を思い出してください。

 

海水1mLあたりで数千万〜億のウイルスがあるんです。

つまり、1日あたりで降ってくるのは海水1mL分程度ということ。

 

そもそも1mLってどんなもんかという感覚的なあれについてですが、

私は、よく高校生とか一般向けのアウトリーチの場では、

 

お魚の形した醤油入れの半分くらい

 

で説明しています。もちろんあれにもサイズが異なるものが色々あるので、

常に半分くらいというわけではないですが、「そんなもん」という意味で。

 

 

はい、そんで、空から降ってくるのは、1日1m^2あたり1mL分くらいなので、

醤油入れの半分くらいの水を1m×1mの範囲に1日かけて満遍なく撒く程度

って考えると、

 

「あれ?結構少ない・・・?」って気がしません?

(私は、このニュースで8億と聞いた時はそう思いました)

 

この計算がどういう計算の結果なのかはわかりませんが、

例えば雨なんかが降ると、単に空気中の水蒸気に含まれる量以上に降ってくることになりますよね。

 

降水量というのも1m^2あたりで出てくる量なのですが、

降水量1mmというのは1m^2に1mm増える量つまり、

100cm×100cm×0.1cm=1000cm^3=1000mL

です。

 

ウイルスが降ってくると予想される量(あくまで海水に含まれている量と仮定ですが)は月に1m^2で30mL分なので、

降水量から考えても、「それくらい降ってきそう」という気がしてきましたね。

 

 

はい、というわけで、脱線多すぎて、記事自体はまだ2段落目までしか書いていないわけですが、

次にいきましょう。

 

しつこく、海水に含まれる量で仮定して例え話をしていた理由が、3段落目最初の文章でおわかりいただけるかなと思います。

 

(引用)

Most of the globe-trotting viruses are swept into the air by sea spray, and lesser numbers arrive in dust storms.

 

(こういった)地球上を動き回ってる(であろう)ウイルスの大部分は、海水の噴射によって大気中に出され、そのうちの幾分かがダストストーム(嵐)に着く(含まれる的な意味か?)

 

地球上の水の97%を占める海水中には、横に並べると銀河系の大きさを軽く超えるような膨大な量のウイルスがいて、

そういうのがプシュッと巻き上げられ、大気中に放出され、それが空気の流れとして運ばれ、ゆくゆくは降っていく

 

という循環ですかね。

その次の文章に「ウイルスにとっては大陸間の移動は非常に簡単」と書かれていますし。

実際、海からというわけではないけど、黄砂なんかも長距離移動してきて日本に来るわけですし、例えば台風も、ずっと滞留してるかは別にして、赤道の方から日本まで移動して来るんですから、

大気に乗って大陸間移動するというのはそうそう珍しいことではないとイメージしてもらえるかなと。

 

その後に書かれているのですが、

 

(引用)

Generally it’s assumed these viruses originate on the planet and are swept upward, but some researchers theorize that viruses actually may originate in the atmosphere. 

 

大部分は、こういう海水から巻き上げられて大気中に存在しているというものをみているんだろうけど、

少数派ながら、大気中で発生していると考えている人もいるようです。

 

この場合の発生というのは、大気中で細菌とかに感染し増殖しているという意味ですかね。

 

海水中で細菌に感染しているウイルスが何をしているかというと、

 

細菌を殺すことで、その中に含まれている・細胞を形作っている有機物を海水中に放出させる役目

と一般的には言われています。

 

こうすることで、また別の生物がその有機物を利用できるということで、

高校生物くらいまでで習う「生態系」の「ピラミッド」とは別の流れというか、経路のようなものがあります。

(微生物ループと言われるものの一部分がこのウイルスによる溶菌)

 

この記事の中盤にも

 

(引用)

One study estimated that viruses in the ocean cause a trillion trillion infections every second, destroying some 20 percent of all bacterial cells in the sea daily.

 

ウイルスは、毎秒、数兆のウイルスが感染し、毎日20%の細菌が殺されているだろう

 

としています。

 

(まぁ、また細菌も増える訳やけど)

 

こういう細菌とウイルスによる攻防が、大気中でもあったとすると、

単に巻き上げだけではなく、大気中でもウイルスが増えるかもね

ということのよう。

 

 

というわけで、久々の記事で結構がっつり書きましたが、

今日はこの辺で。

 

申請書執筆に戻ります・・・

 

 

終わり