フラスコを振る

某研究機関で研究やってる人の日記です。科学や(自分の専門の)生物をもっと楽しんでもらいたい。Twitterは@nkjmu。

大学入試があったらしい

こんにちは、nkjmyです。

3月ですね。早い。え、もう1ヶ月すれば新年度なんですか。

 

関東は今日明日くらいからかなり暖かくなって、15度、20度まで上がるとの噂も。

 

 

このあいだの休日(一部は月曜も?)で国立大学の入試(2次試験)があったみたいですね。

 

うちのキャンパスは研究所ばっかりで、そんなの関係ねぇとばかりに、全く知りませんでしたが、某短文をつぶやくSNS上で、入試問題の写メ(死語)が流れてて、

 

あーそういう季節かーってなってました。

 

 

ジャスト10年前。

 

 

これもまた短文をつぶやくSNSで流れてきて知ったんですが、

 

 

東大の生物で、タスマニアデビルが出題された!

という投稿を見たので、実際に試験問題を探してみると

 

 東京大学 前期日程の入試問題と解答例(2018年解答速報)

 

ああ、出てるわ。

(予備校の選択に特に意味はありません。たまたまです)

 

ざっと出題内容をまとめてみると、

 

1. 遺伝子発現(RNAseq)

 

2. 進化・適応(タスマニアデビルの伝染性腫瘍)

 

3. 植物生理(フィトクロム)

 

といった感じやろうか。

 

講評にもあるけど、基本的な語句を答えさせる問題がある中で、

問題文をしっかり読み、与えられたデータや情報からの考察をかなりしっかりせねばならんという問題ですね。

 

しかも、遺伝子発現の調節にしても進化・適応にしても、植物生理にしても一応高校生物の範囲に該当分野はあれど、

 

RNAseqやら、ましてやタスマニアデビルの伝染性腫瘍デビル顔面腫瘍性疾患

タスマニアデビル - Wikipediaなんてのは出てこんやろうと。

 

そういう超専門的というか、初見の生物現象に対して以下に対応するかというのが問われているんですね。

 

 

しかも面白いというか、当然と言えば当然なんですが、

ちゃんと、この腫瘍に対して、「攻撃性の弱い個体が生き残りやすい?」みたいな結果も問題・解答に反映されていて、(2次試験とは関係ないところにいるから)楽しく問題文を眺めていられました

 

ちなみにナショジオでも扱われています

絶滅危機のタスマニアデビル、「死の病」克服の兆し | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 

他にも、「消えるオス」という本の中でこのデビル顔面腫瘍性疾患は伝染性のガンとして出てきていました。

この本は、基本は、昆虫などに共生している細菌が、「(昆虫の)オス殺し」をする、メスに性転換させるという、一見「なんでそんなことすんねん」という共生というものをテーマにしています。

 

共生は一応メリットがあるという意味合いですが、明らかに伝染性のガンにはメリットはない・・・

 

でも、ウイルスにしても、これにしても、共生や寄生といった感じのものということでさらりと触れられているという感じでしたね。

 

 

 

さて、東大入試の生物

 

今の自分なら(そりゃちょっとはRNAseqやってるし、語句問題もかなり答えられるし、日々実験データとにらめっこしてるんやし)そこそこ点数取れる気がしなくもないですが・・・

 

実際に受験生やったら、どこまで点数とれたやろうか・・・・

 

 

 

 

 

 

あ、でも、

 

 

 

 

 

 

 

710点くらいのセンターの足切りに引っかかるわ

(687/900点)

 

 

終わり