NHKスペシャルを見た感想
こんばんは、nkjmyです。
関東では台風が接近していますが、いかがお過ごしでしょうか。
秋なんか、冬の始まりなんかわからんような気温で、体調管理がががが・・。
(なんか、台風一過で25度近くまで上がる予想が出てますね、火曜か水曜に)
さて、本日の話題は、タイトルにあるNHKスペシャルを見た感想です。
先々月でしょうか、「731部隊の真実」というのが放送されました。
731部隊とは、第2次世界大戦中に日本に存在した部隊(研究部署?)で、
ざっくりいうと防疫給水や衛生面の部隊だったのですが、同時に、細菌兵器(生物兵器)や人体実験を行なっていました。
微生物学に携わる者として、あるいは科学の負の側面として知りたいと思っており、
見逃しちゃったんですが、某短文をつぶやくSNS上で仲良くさせてもらっている方からDVDをいただけたため、昨日みることができました。
さて、これより先は、番組を見ながらキーワードなどをメモしたものを元に書きますので、文章がだらだらになるかもしれません。(あまり強調や文字の大きさを変えないです。)
また、グロテスクに思える内容も書きます(当然表現には注意をしますが)。
歴史上実際にあった出来事として、それでも読みたいと思われる方のみ、スクロールをお願いします。
====ここから====
さて改めて、731部隊とは、1936年に結成された旧日本軍の研究機関の1つで、
防疫給水部という名前のようです。
多くの医学者が関与し、後述する細菌兵器の開発や人体実験などが行われていました。
その被害は最終的に3000人を超えたと言われています。
当時から生物兵器の使用は国際条約で禁止されていたものの、日本はこの条約を批准することなく、
「防衛目的の生物兵器研究は可能である」として推し進められていたと。
博士号を持ったような大学関係者は技師と呼ばれ、軍医と並び将校と同じくらいの階級として扱われていたようです。そして、京大から11人、東大から6人をはじめ、すくなくとも10以上の大学から医学者、薬学博士、理学博士などが集められていたということです。
中でも京大では、当時の医学部長と731部隊の部隊長につながりがあり、個人への献金あるいは医学部への研究費支援(現在の価値で2億5千万円ほど)などがあったとされています。
部隊自体の年間予算は年間で300億円ほどが使われていたとのこと。
(誤字修正しました;300億年→300億円)
731部隊に派遣?所属していた医学者たちによる人体実験・・・
その内容とは凄惨たるもので、
ワクチンの効果実験のため人為的にチフス菌に感染させたり、ペスト蚤(黒死病として有名なペスト菌Yersinia pestisを保有したノミ)を使い、部屋に閉じ込め感染させるなど。
(※これが細菌学的にどのチフスをさすのかはちょっとわかりませんでした)
※チフスとは、腸チフス・パラチフス・発疹チフスの総称といわれ、前二者はサルモネラ、後者はリケッチアという細菌によって引き起こされるものです。
(誤字修正しました;リッケチア→リケッチア)
人体実験時に饅頭に注射で細菌を注入し、それを食べさせ、大規模に市民への攻撃?に使われたとあるので、サルモネラの可能性が高いと思っています。
あるいは、生物兵器的な人体実験だけではなく、
様々な状態にした人を、凍傷にかからせる実験をしていたようです。
なぜこんなにも残酷なことができたのか・・・
当時の風潮、世論として敵国(この場合、主に中国のようでした)の人民を軍の処罰として厳しくしてもよいだろう、
殺す前に生きたまま生体の実験材料にすれば、今まで取れなかったようなデータが取れるから人体実験してしまえという声があったようです。
(実際、当時某大の教授の言葉として紹介されていた)
確認されているだけで、3回中国国内において、上記のような生物兵器禁止条約がありながらも密かに使用されたと。
これはペストやコレラ(Vibrio cholerae)などを細菌爆弾として投下し、水源や井戸、貯水池を汚染という方法です。
すべての医学者が進んで参加したかどうかはわかりませんが、なかには学部長や教授クラスの「上からの圧力」として731部隊での研究をしていたという研究者もいたという表現がありました。
しかし、どういう経緯であれ許されるはずのない行為・・・
と思いきや、戦後、731部隊の医学者たちは罪に問われることはありませんでした。
これはアメリカに実験データを引き渡すことで免罪となったようです(いわば司法取引?)
現代の日本。
大学と軍事(可能)研究との関わりが日本学術会議によって話し合いが行われているようです。
科学が戦争によって発展したこともある
科学が本当に軍事に使われることがないことを願いたい
科学者がある意味では戦争に巻き込まれたが故の731部隊だったかもしれない
しかし、731部隊はアメリカによる原爆開発と並んで紹介されていたらしい。
番組の最後で言われていた(上記の学術会議によるシンポジウム)言葉を借りると
ある側面では、科学が戦争を残酷化させてきた
と。
我々はそれを忘れるべきではないのだろうと思いました。
微生物、あるいは細菌というと病気の一面が色濃いですが、
一方で様々な薬や食品に発酵や生理活性物質という面で大きく関わっています。
病原菌と知られている種というのは全体の極々僅かなものです。
我々生態屋(自分がそう言っていいのか・・・?)もまた、ワクワクさせる微生物を広げていきたいですね。
ではでは
今日はこの辺で。
終わり