フラスコを振る

某研究機関で研究やってる人の日記です。科学や(自分の専門の)生物をもっと楽しんでもらいたい。Twitterは@nkjmu。

ポケモンの種数推定の公式考えてみた

こんにちは、nkjmyです。12月も後半戦。

あと2週間ほどで今年が終わる・・・。

 

最近は、本業である微生物の遺伝子解析についてせっせこ毎日進めていて、

日に日にできる解析(Rを勉強中etc)やら分かってきたことが増えて楽しいです。

スピードアップしてさっさと書き上げねばです。

 

 

さて、昨日、面白いブログの記事を見つけました

(見つけたというか知り合いですが笑)

 

もっちょさんの記事はどれも面白いですね。

高校までしかちゃんと授業で数学やってない私ですが(大学の一般教養はほとんど高校の復習で終わった、農学部やし・・・)、

易しい数学で面白い世界を紹介してくれていると思います。

 

さて、今回の計算では、ポケモンの初代の発売日〜最新作までの日付と、トータルのポケモンの数をプロットして、

 

 

むむ?どうやら線形っぽいぞ?!

 

 

ということで例えば、

ポケモンが1種だった世界は赤緑の何日前か」とか

「1000種になるのは何年後か」といった計算をされています。

 

そこで生物系、しかもどちらかというと?生態学寄りのことをやってる自分としては、

このアイデアをいただき、生物学の面白さを伝えつつ、もうちょっと遊んでみたいわけです。

 

 

さて、ややこしいところは省きますが、

 

そもそも種数は線形的(1次関数)に増えるのか?

というところで、

 

実際そんなうまくはいかない

 

というのが生態というか分類だと思います。

 

 

 

ある森に入ってみる、あるいはその辺の海岸や湖岸にいってみたことを想像してみてください。

 

自分の周り1m、3m、10m・・・と何がいるかをカウントしていくと、

見つかる種数は、最初急激に増えますよね。

 

しかし、20m、50m、100m、半径500m・・・と増やしたらどうでしょう

 

最初ほど、「これは違う種や!」というのが少なくなって来るはずです。

 

 

ということで、雑ではありますが、こんな感じ

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a, Cは定数で、xを調査面積、yを種数とすると、だんだんカーブが寝ていく

→新しい種が見つかりにくくなる

という形になります

 

さて

 

じゃあポケモンはどうか

 

発売日、種数のデータはもっちょさんのブログのものをお借りして、プロットしてみる

 

(時間の経過=調査面積として考えてみます)

 

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なんか、えらい数字がでかいな・・・

と思ったら、これどうやらエクセルさんは、1900年1月1日を1として

数字⇔日付を認識しているようで、関数の数字が、何千、何万ということに・・・

 

まぁええわ

 

それより、y=Cx^zちゃうやん!

 

というツッコミにお答えしておくと、「0がダメ」なので、

日付をなるべく反映させたい、0を入れ込みつつ、曲線の形を維持できるように・・・という苦肉の策。

 

対数プロット。(後で改良します)

 

 

まぁ、「線形っぽい」というのはすでに分かっているのですが、

この線形っぽいのは、すでにカーブが寝てきて、「ほぼ線形とみなせる」

ということなので、

実際見つかるペースは種数が少ない方に動く(グラフ左)とxのブレ幅は大きく、

逆に今から未来においては線形より見つかりづらいはずです、ほんのすこーーーしだけ。

 

 

グーグル先生って便利で、xの式を入れるとぐりぐり動かせるんですよ

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おお、ポケモン1種目が見つかった時点でほぼ曲線は寝ているわけですね笑

 

あとは1種目の数字を、エクセルに入れて、それを日付変換したり、

1000種目の数字を同様にしてみると、実は1枚目にネタバレしているという。

 

92年4月25日(1種目)

2023年7月5日(1000種目)

 

これは、1991年6月26日午前3時18分ごろになります。 

もっちょさんの計算より10ヶ月ほど後(現在からいうと10ヶ月手前)になりましたが、

これは上記で述べたように、種数が少ない時の方が増えやすい 性質のため、

よりはやく、1とぶつかったということです。

 

逆に、

これは2022年5月28日です。東京オリンピックには間に合わないようですね。

1000種目はこちらの方が23年7月なので1年以上遅くなっています。

 

しかし、やはりy=Cx^zではないというのが気になります。

 

151匹の時点を0とすると問題があるし・・・

 

ということで、

 

151種時点をx日目、251種時点をx+1363日目、386種時点をx+3866日目・・・として、

 

 1日目を3種と勝手に設定します。

最初、某O博士の手元に3匹いたから、あれらを1日目の調査で捕獲したんだろうと勝手に考える。

 

さて、問題はx・・・

 

これも適当に、

 

1年くらいで某O博士は151種類の図鑑完成させたんじゃね?

 

と勝手に解釈します。

 

すると、

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なんかそれっぽくなった

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ぐりぐりできます。

 

さて、1匹目を見つけたのはいつかというのはxの設定の都合上、

大した意味を持ちませんが、

この関数のペースでなら、1000種目はいつか?ということは算出できます。

 

ということで、802種目から1000種目になるまで、4204日要しますので、

 

2016年11月18日の4204日後・・・

 

はい、

 

2028年5月23日ですね。

 

あと12年くらいかぁ。

 

オリンピックイヤーですね。どこか決まってへんけど。

 

 

ここで根本的な問題を振り返りますが、

151匹のポケモンは151種類と言っていいのか・・・?

 

フシギダネは「進化」してフシギソウになるそうです

 

し・・ん・・か・・・して・・・?

 

ここで生物学単語ポリスが発動し、

 

いや、それ変態やん

と言いたくなるでしょう。

 

キャタピートランセルバタフリーを見ていると、ポケモン界における「進化」とは「変態」であるということがよくわかります。

 

ということで、上記、すべてのプロットは数字を訂正せねばならないはずなのです。

 

その前に

 

では、実際に何種いるのか・・・?というちゃんとした(?)分類をせねばなりません。

 

 

著作権の関係でこれについて詳細に絵を使いながら記述することは大変時間がかかるので、私から言いたいのは、

 

みなさん!

ポケモン図鑑ポケモンずかん|ポケモンだいすきクラブ)と、

Wikipediaの生物の項目(生物の分類 - Wikipedia)を見ながら楽しんでください。

 

最初設定したXでも遊べますし、151、251・・・のプロット部分を変えても遊べます。

 

さて、そのためには

動物界や植物界の中で形態的特徴が近そうなやつをとりあず検索し、

その分類群周辺からより近そうなものを調べてみる・・・というのでも十分時間を潰せます笑

 

なんの生物に近いんや?というのが難しいやつはおいておいても、

例えばゼニガメ・・・

 

1. カメを調べる

2.「カメ目」というのが出てくる。あるいは「爬虫綱」を調べるのでもいいかもしれません。

3.1つ下の「科」を見てみる

 

すると、カメっぽい生き物でも「あ、これとこれってここで分かれてるんや」ということがわかるわけです。

 

ちなみに自分はこのために検索してみて、はじめて、

スッポン科だけではなく「スッポンモドキ科」があるというのを知りました。

 

この「科」、ウミガメ「科」があったり、リクガメ「科」、カミツキガメ「科」があるんやなーと知ることで、

ニュースなどでカメのニュースを見た際の役に立つかもしれません。立たないかもしれません。

 

 

ポケモンが出発点ではなくても家の冷蔵庫、道端の動植物、ニュースで聞いた名前・・・あらゆるところに出発点はあると思います。

 

このブログでも分類学カテゴリでいくつか、「ネタ」として紹介しています。

分類学 カテゴリーの記事一覧 - フラスコを振りながら

 

Wikipediaが常に正しい訳ではありません。分類だと、特に上の方(高次分類)のところではまだ、その分野でもしっかり知見がたまっていないなど、

ややこしい部分も多いでしょう。

 

しかし、何気ないよく知ってる(と思っている)名前でも、新しい発見があるかなと

 

英語しかありませんが、

Encyclopedia of Life

Wikispecies, free species directory

世界中の研究者が色々、生物専門でデータベースを作っていますので、

これを身近な奴らで調べてみるのもいいかもしれません。

 

特に前者のやつは、名前やら分布やら、かなり詳しいです。

 

 

 

と、脱線しましたが、生態や分類も触れてみると面白いよ!ということで以上です。

 

今回の計算で頑張ったところは、

 

 

 

プロットのマーカーをモンスターボールっぽくしたところです(嘘

 

 

ではでは

 

今日はこの辺で

 

終わり