日本人のノーベル賞受賞を祝いたい
こんばんは、nkjmyです。
ちょっとおさぼり気味でしたが、昨日はおめでたいニュースが舞い込んできましたので書き留めておこうかと。
言わずもがな、大隅教授のノーベル生理学・医学賞受賞ですね。
受賞理由は、
オートファジーの分子機構の解明
ですね。
オートファジーがなんなのかは、私から説明するより、
専門家、あるいは科学コミュニケーターの記事がわかりやすいかなと思うので、そちらを参照していただければと。
ざっくりいうと、我々動物を含む、真核生物が、細胞の中で不要になったタンパク質や細胞小器官を膜で包んで分解するというもの。
タンパク質の分解は他にも、ユビキチンープロテアソーム系というものが存在していますが、このプロテアソームの方についてはユビキチンというもので分解するタンパク質を認識して分解するのに対し、
オートファジーは膜で丸ごと包んで分解するという違いが。
(ちなみに、「ユビキチンを介したタンパク質分解の発見」という理由で2004年に海外の研究者にノーベル化学賞が与えられています。)
このシステムは細胞小器官を持つ真核生物(動物や植物、菌類など)では広く保存されたもので、
オートファジーの異常はアルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患とも関わりがあるようです。
いくつかの解説記事は、下記の通り
2016年ノーベル生理学・医学賞発表!「細胞の中のお掃除係」の解明で大隅良典先生が受賞!! | 科学コミュニケーターブログ
細胞を支える掃除役 オートファジー | 日経サイエンス これはどちらかというと、雑誌の案内。
オートファジーを長き眠りからめざめさせた酵母 : ライフサイエンス 領域融合レビュー
こちらは2012年の大隅先生の業績がレビューされたもの。
最初の方だけを読むだけでもオートファジーがなんたるかはわかるかなと。
今日の物理学賞は、日本人受賞ならずやったというより、
そもそも専門ちゃうし、トポロジカル相転移ってなんやねん・・・誰か解説してくれ・・・状態なので書きません。
相転移ってのは要は、氷が水になるとか、水が水蒸気になるとかそういう性質が変化する現象のことですよね・・・?
さて
ここまでは、これで良かったんですが、
ノーベル賞の報道のされ方、どうなってんねん
というツッコミ、怒りが、某短文をつぶやくSNSに溢れていましたね。(私も同感です)
日本人が受賞、うん、そりゃめでたいですよ?
先生がどんな先生なのか、
先生の声をいち早く聞きたい、
聞きなれない専門用語の意味を解説して、なぜ受賞になったのか聞きたい、
そういう需要が当然あるでしょう。
それがなんなん?
テンプレのように「それって何の役に立つんですか」って聞くし、
子供の頃の人となりをインタビューしてるし、
「そのヒゲはいつから伸ばしてるんですか」とか果てしなくどうでもいいこと聞く記者もいるやろ?
今日に関して言うと、速報のテロップは
「ノーベル物理学賞、日本人受賞ならず」
いや、もっと書きかたあるやろ。
ノーベル物理学賞、海外3氏へ
とかでもええやん。日本人なら文字通り馬鹿騒ぎして、
海外の研究者ならこの扱いっておかしくね?
あと、話題になってたのは、専門家の人に、インタビューで、
「近年、日本人のノーベル賞受賞が続いているのはなぜですか」とか聞いて、
「研究成果が認められるには時間がかかり、20〜30年前は自由に研究ができた」といった趣旨のことを返され、絶妙な皮肉になってるってのとか。
大隅先生のインタビュー?で基礎研究の重要性を説いておられ、
(当時は)すぐに役に立たないかもしれない研究でも自由に研究ができたから
というような話があったという情報も出てましたし
直近の自然科学3つのノーベル賞で、
数年以内の受賞した例って、山中先生のiPSとヒッグス粒子くらいちゃうん?
最近多いんやなくて、20年30年前の科学界が、それだけのパワーを持ってたってことでしょうね
さて今は(以下略)
もはや、ほぼ毎年の風物詩ですね、
・何の役に立つんですか
・日本人すごい、連続でノーベル賞
・少年時代の科学者はどんなであったか
科学ではなく、科学者を報道しようとする姿勢
ってフォロワーの人が言ってましたが、まさにその通りかなと。
またしてもこの記事案件が・・・
frasco-shaking-ny.hatenablog.com
もう、こういう速報、全社一斉に科博とか未来館に中継繋いで、
コミュニケーターの人に解説してもらうってのでええやん。
明日の化学賞はどうなるでしょうね。
近年は、化学とはいえ、生化学方面の受賞理由も多いので、
自分のわかる範囲の研究であるかもしれないので楽しみにしています。
ではでは
今日はこの辺で
終わり