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フラスコを振りながら

某大の博士課程の院生の日記です。科学や(自分の専門の)生物をもっと楽しんでもらいたい。

感動した生き物の戦略

生物の小話 食べ物 写真

こんにちは、昨日は先輩たちと飲み会に行っていたら書くのをすっかり忘れていました・・・笑。

 

代官山にあるおしゃれなビール・・・工房やなくて・・・

レストラン・・・?ダイニング?に行ってきました。

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SVBさんというところです。ビールがタンクで置かれててすごいです。

写真撮り忘れたので、これしかありません笑。

 

今日の内容は、自分がこれまでいろいろなところで知った生き物の生き様として、

感動したものを3つを挙げてみたいと思います。

 

もちろん、微生物屋さんなので、微生物から3つ選びたいところではあるんですが、

動物でも「いや、これはすごい」ってなったものも当然いて、特に「それは考えもせんかったわ」っていうのを選びました。

 

  

まず1つ目

 

 

素数ゼミ(周期ゼミ)

あくまで通称、あるいは、(先日のネタの)ゴリラのような総称ではありますが。

分類としてもう少し正確に言うと、

セミ科のMagicicadaに分類されている7種のことを指します。

 

素数ゼミとは、17年、あるいは13年かけて成虫になり、成虫になると大量発生することで世代を経ているセミです。

17、13が素数であるためこの名前が付いています。

詳しくは何冊か関連書籍が出ているのでそれを読んでもらうといいのですが、

なぜ普通のセミのように数年で成虫にならず、こんな長期間かけて、出現を大量発生にしたのかというのが気になるところであり、面白いポイントですね。

 

私は

これを読みました。kindleでもお安く手に入るようですね。

あと2つ控えてるのでさくっと書きますが、「なぜ」というポイントは2つかなと。

  1. 敵との遭遇をなるべく少なくしたい
  2. 他のセミと会わないようにしたい

敵となる生き物にも、近縁のセミにも周期があります。

2年周期のものと、3年周期のものは、6年に1回遭遇してしまいますが、3年周期のものと17年周期のものは51年に1回しか遭遇しません。

 

小学校でやった、最小公倍数という考え方ですね。13年周期と17年周期なら、221年に1回しか遭遇しません。

 

魚にしても虫にしても、とにかく卵から成体になる数がめっちゃ少ないので、とにかく繁殖回数増やしたり卵増やしたりするのが一般的かなと思いきや、

逆転の発想で、むしろ長く期間を取るというのがすごいです。

 

某短文をつぶやくSNSで数学クラスタさんたちとも仲良くさせてもらっていますが、

 

 

素数素敵!!

というのがいわば合言葉ですよね。素数が好きやから素数ゼミも知ってるという方も多いかなと思いますが、

私個人としては、

素数が好きなのは素数ゼミに感動したから

といっても過言ではありません。

 

 

はい、2つ目。このペースで3つ書くのはしんどいので、ちょっとはしょります笑

 

・アンボイナガイ

 

・・・・・・知らん!というリアクションが手に取るように(略

 

この貝は、インスリンを毒として用いる貝として知られているようです。

インスリンというのはご存知の方も多いかもしれませんが、血糖を抑える(血糖値を下げる)ホルモンです。

 

毒というと、フグ毒とか、ヘビ毒とか、トリカブトとか毒キノコとかをイメージすると思います。

体内に入ると、「うぐっ・・・」ってなって数分で体がしびれて・・・みたいな。

 

糖尿病の治療?にも使われて、血糖値を抑えるなんていうと「薬」として良い物のように思うのですが、それを毒、つまりは武器として使うっていうのがすごいと思うんです。

 

この毒(インスリン)にやられると、血糖値が急激に下がり、昏睡状態になって動けなくなり、この貝は動けなくなった魚を食べる・・・というのです((((*゚Д゚))))

 

そういう使い方があったか・・・と驚きです。サスペンス風。

 

このネタはナショジオで初めて知りました。

インスリンを毒に使う貝を発見 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 

では最後3つ目。

 

これはちょっと正確には生き様ではないのですが、「キャラ」として感動したので。

 

それが

 

・デイノコッカス ラジオデュランス(Deinococcus radiodurans)

 

まーた、変な名前の生き物を持ってきて・・・と思われるでしょうけど、この生物を知らなければ、今の人生はなかったのではないかというくらい感動しました。

 

これはいわゆる、「放射線耐性細菌」といわれているもので、

ヒトの致死量となる放射線量の数百倍を浴びても死なないくらい恐ろしく耐性の高い生物なんです。

 

Wikipediaによると、10グレイでヒトが、60グレイで大腸菌が死ぬらしいのですが(単位は今、気にしなくていいです)、

D. radiodurans5000グレイでも平気、15000グレイでも37%は生存・・・ということですので、めっちゃ強い。

 

あと、

高温、低温、乾燥、低圧力、酸の環境下にも耐えることができる

ということで個人的には、「最強」かなと。

 

発見の経緯も興味深く、もともと缶詰の滅菌の為、ガンマ線を照射していたらしいのですが、滅菌したはずの缶詰が腐ってしまい、そこから発見されたのが、こいつ。

 

地球上にこんな強い放射線の生態系は存在していないのに、なんでこんな能力があるのか・・・

それは、ある仮説によると、「乾燥耐性」から偶然得られた産物ということのようです。

乾燥によっても遺伝子がぶちぶちに切断され、それを修復せねばならんので、こういう能力を獲得できたやつが生き残り、

それが「なんか放射線にも使えちゃった☆」ということなのでしょう。

 

中学2、3年の時にある科学系の本でこやつの存在や、100度の熱水でも生きていける好熱性細菌のことに触れられていて、

それがあったからこそ、「微生物って面白い」と思えたきっかけなのです。

 

なので、生き様とはちょっと違うかもしれませんが載せておきたかった。

 

 

というわけで今日はこの辺で。

 

終わり