菌と細菌
最初の記事ってやっぱり何書けばいいかわからなくなるわけです。
(自己紹介記事除く)
とりあえず、いずれバレる明らかにする自分の専門に対する小話?雑学?でも書いておこうかなと、無難に。
専門は、生物学なんですが、もうちょい詳しく言うと「微生物学」ということになります。(もっと詳細な分野名があるけど、それはまたどこかで)
「微生物を研究してます」っていうと、生物系以外の理系の方を含め、
そこそこの確率で、
「あー、あれね、ミジンコとかね」
「あ、プランクトンとかそういうやつ?」
みたいなリアクションが返ってきます。
だいたいあってるけど、ちょっとちゃうわけなんですよ。
(ここから色々用語が出ますが、テストするわけじゃ無いので、流し読みでも大丈夫です)
微生物というのは、「目に見えない、見えても判別ができないようなサイズの生物」のことです。
なので、ざっくり0.1~0.2mm以下のサイズですね。
たしかにミジンコも微生物の範疇かも。
でもプランクトンはまた別の意味があるんです。
プランクトンとは、泳ぐ力が無い、あるいは泳げても水の流れに逆らえないような、
水の中に漂ってる生物のことです。
なので、目に見えようが見えまいが関係無いというわけで、
クラゲも流されちゃいますしプランクトン。
10年弱?前に話題になった1〜2mもある、エチゼンクラゲもまたプランクトン。
「おれ、カナヅチやねん、プランクトンや!」という人がいますが、
水中生活を送ってるわけでは無いので、プランクトンでは無いと思います笑
よくある誤解その2
微生物の中でも私は「細菌」をメインにしています。
この辺がこんがらがって認識されがちな気がするので、ここで整理しておきますね。
細菌→(英語)→バクテリア bacteria です。1個解決。
大腸菌は細菌という生物のグループの中の1種です。
動物というグループにヒトという種がいる、そういう感じ。
2個目も解決。
「菌類」あるいは「菌」というのもまた、ある生物のグループの総称です。
たとえば、カビ、キノコ、酵母、ああいうのは全部、菌。でも細菌ではない。
細菌は細胞の中に遺伝子をしまっておく「核」がない、原核生物というグループに属しています。
一方、菌には核があります。なので、真核生物というグループです。
我々も植物も真核生物です。
つまり、菌と細菌、日本語的には似ていても、全然違う生物のグループということですね。
どうでもいいことですが、
菌類は植物よりも、我々動物に近いということが遺伝子解析から分かっています。
あと、ウイルスですが、これはもはや生物かどうか怪しいというか、生物ちゃうわ!という人もいる存在
生物とは何か
という壮大な問いに関わるので、今回は割愛します笑
とりあえず、細菌でも菌類でもないし、なんなら生物かどうかも怪しい・・・とだけ思っていただければ十分かなと。
明日から「微生物をやってるんです」という人に会ったら、
ここに書いたことを参考にすると、キラキラした目でいろんなことを教えてくれると思います。
その辺に微生物屋さんがいるかどうかは別問題・・・(o´・∀・`)